馬上の尾崎行雄氏

馬上の尾崎行雄氏






『先生は演説会場でパチパチやられる時は

何うです、随分不機嫌なお顔をなさいます

ね』

　『あれは私の演説中は私の精神作用と聴衆のそれとは共通し、両者の視線も感情もピッタリと合う、其

　大切の場合にマグネシュームを焚かれるのは非常に迷惑で、気分を攪乱されます。』

　『しかし先生の演説を聞くことの出来ない人々にせめて其光景を知らせるのが我々の使命です』

　『それは仰有る通りです…それに近頃は君達もうまく呼吸を呑み込みましたね、巧にチャンスを見て

　その特徴をとらえ巧く撮るようだ、それを翌日新聞で見る時の感想ですか……左う満更悪くもありませ

　ん』……

と、話しの最中に、馬の用意が出来たと知らせて来る。

　この写真なら主人公は最上の満足でしょう。




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タグ：尾崎行雄 馬の用意