照子さん
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『日本の娘さんが、心の悶えや悩みを西洋の娘のように露骨に現はさないで、
或は三味線に或は琴にと云う風に、優美な表現形式をとられることは何と云
う奥床しいことでしょう。』
と、東照子さんが云う。東照子とは露国大使館情報部長補佐テルノスカヤさんの
自らつけた日本流の名だ。
『東の国に来たテルノスカヤと云う意味で、東照子と申して居ります、わたし
この名が大好きなの。』
◆
『日本語は浦潮の大学で、スパンウヰン博士から教わりました、昨年の八月、当大使館に来ましてから
先づ第一に日本のローマンスを研究する考えで、江口渙さんの『恋と牢獄』とを興味深く読みました、
日本人の心を研究する為には、この小説は大切な鍵となったのです。それで露西亜語に翻訳してモス
コーで出版しましたが、わたしの処女作です。』
◆
2016-03-12 20:05
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